3月29日

思い出を書き記す。

高橋優 + 石川亮(guest)「Speaker of the Livingdead」
インスタレーション的な作品だが、何の説明もなくただ在るので誰も状況を理解することができない。開場時間の19時から開始し、開演時間の19時30分をまわって40分ぐらいに終了。発表の形式とか理由付けをことごとく無視した作品をまえに鑑賞者はただポップコーンを食べることしかできない。スピーカー自体を演奏する高橋くんという光景はこのイベントではおなじみのものになったが、これに対し宇波拓さんや梅田哲也さんなどのやっていたことを引き合いにだしてなんだかんだ言うことは完全にお門違いだ。意味をもたずにただそこに存在しているだけのものとしてのLivingdeadなSpeakerども。

加藤裕士「Solo Improvisation」
がんばりました。

齊藤僚太「小作品をいくつかやります」
ヴァンデルヴァイザー派をはじめとする作品群を鑑賞する人間の心理状態について考察する作品。齋藤くんは日常における些細で見過ごされてしまう様な現象を、音や音楽に置き換え捉え直す作曲作品を主とする。しかしここでいきなりヴァンデルヴァイザーが出てくることにおもしろさがある。ヴァンデルヴァイザー派などの作品に日常的に触れている人間がどれだけいるのだろう。このことによって、日常という概念そのものが歪んでいき、そもそも自分たちが感じている日常とは一体何ぞや、という問題にむかうという展望が見えてくる。齋藤君自身がどう考えているかわからないですが。ちなみにあらゐけいいちのマンガは買ってません。

黒澤勇人 + 梶原一絃(guest)「Duo Improvisation」
3人のパフォーマンスが終わり、きょうもひどいことになった…と誰もが思っていたところに現れた希望の光。黒澤くんとフルートの梶原さんとの即興演奏。とても丁寧に時間を紡いでいく。2人の感覚が似ているのかな、ゆっくりと一歩ずつ歩いていくような演奏でした。もしかしたら4月に(リサイタルではないが)再演かも?音楽としてのクオリティがどんどんあがっていきそう。

総括
各人の方向性ははっきりしているが、イベント全体として訳がわからない。おもしろすぎ。次回もがんばりましょー!

加藤